2ヶ月半で短期合格
行政書士で開業する前に先ずは試験に合格しなければいけません。長年行政職の公務員で働いた人は別ですが。
私は公務員歴が5年半でしたし、うち3年半は公安職の現場業務だったので試験免除に擦りもしません。
なので、正面から行政書士試験を受けて合格しました。
会計事務所を退職してから約2ヶ月半。無職でしたので死ぬ気で勉強して短期合格を果たしました。
ギリギリでした。ギリギリでも合格なことに変わりはありません。受かったもん勝ち。
短期合格というと短期集中でパパッとスマートに合格しているイメージがありますが、私の場合は完全に真逆。
何度もダメになりそうになりながら何とこ合格できました。
受験勉強初期
行政書士試験を突破するためには6割の点数を取らなければなりません。
300点満点で180点。簡単に見えますが、これがなかなか難しい。
残り2ヶ月半の時点、しっかりと勉強してきた人たちはこの時点で最後の総まとめや、模試での苦手箇所確認などそんな時期です。
私はここから受験勉強を開始しました。
行政書士試験合格した先輩からは、とりあえずトレ問を10周回せば合格するからというよくある受験テクニックを伝授され、過去問を中心で勉強をすることにしました。
私がまず頼ったのが、TACの独学道場
独学道場に合わせてTACのみんなが欲しかったシリーズの過去問中心に勉強することにしました。
毎日約10時間、独学道場の動画を見ては過去問を回しまくる日々
独学道場は講義数が少ないので、導入とポイントだけの講座。そしてみんなが欲しかったシリーズも初学者を狙ったデザインレイアウトで、少し心許ない感じ。
でも、やるしかなかったので過去問を回しまくりました。分からなければすぐに答えを読むというよくある受験テクニックで回し続けました。
初の模試受験
過去問を3周くらいしか回してなかった頃、初の模試受験
なんと結果は・・・
100点ちょっと。それもほとんど分からずに勘で答えた問題ばかり。
「まずい、あと2ヶ月ちょっとしかない。」
ということで、過去問を10回転するのを目標に毎日10時間勉強を続けました。
模試2回目
過去問10回転で受かると言った先輩のアドバイスにしたがって、10回転した状態で受験
「全く分からない」
またもやほぼ勘、たまに見たことある単語や問題があるなといった状態。
点数は120点くらい。少し上がったけど、ほぼ勘でしたし、自分の実力が上がった気が全くしませんでした。
この頃から旧Twitterの行政書士受験コミュニティーにハマり出します。
勉強法の模索の日々
旧Twitterでみんなの勉強法を見ているうち、合格革命という本が情報量も多くてすごく良書だという話題になっており、受験参考書や問題集の評判を気にし始めます。
自分の成績が上がらないのは使った問題集や教科書が内容が薄くてわかりづらいからだと。
はい、とてもダメな傾向です。教科書、問題集のせいにして色々な書籍を漁り出すという受験生としてかなりダメな行動です。大学受験失敗した時の経験が全く生かされてません。
超短期(1ヶ月ちょっと)で合格した人の勉強方法をTwitterで研究したり、自分が使っている教科書のダメなところをネット上で探すという行動を取り始めました。
超短期合格した人の勉強法で多いのは、合格革命の肢別過去問を大量回転すること。問題、回答を暗記すること。
そういう合格体験記が主流でしたので、それに感化された人の多くは合格革命を使っていました。
「私も合格革命を使いたい」という考えがずっと頭の中にあり、しょっちゅう書店で合格革命を立ち読みしてました。
ただ、内容の薄いみんなが欲しかったシリーズすら消化不良なのに、さらに情報量の多い合格革命を買い足して使い切れる気がしない。でも、明らかにみんなが欲しかったシリーズは情報量が少ない。
そこで、何をしたかというと違う出版社の薄めの過去問を買ったり、民放の基本書を買ったり、行政法の学者本を買ったりと本当に迷走していました。
もちろん、その後に受けた模試の結果も2回目と同じくらいで全然伸びませんでした。
独学本がダメなら予備校だとさらに迷走や評判調査の日々。アガルートの講師は超一流とかLECの講師の評判もかなり良いとか、そんなことを調べ出します。
もちろん、調べているだけでなく、毎日の過去問回転はずっと続けていました。
でも、成績は全く伸びない。
最初にアドバイスをくれた先輩は過去問のことをトレ問って言ってたことを思い出して、トレ問のことを調べてみるとこれは大原の過去問の名称でした。
トレ問に変えてまた大量回転するかとも思いましたが、消化不良状態。
そこで、気軽にできるスマホアプリの肢別問題集を購入。大原のアプリなら解説が同じでしょうという考えのもと。
大量回転をやめてしっかり肢の解説暗記
これまで、大量回転をすれば合格できるという考えが頭にあったので、とにかく過去問を回しまくっていましたが、記憶の質が低すぎて全く身に付いていない状態でした。
大原のアプリを購入したので、選択肢と回答をしっかりと暗記しようという方針転換
この時点で本番まで残り1ヶ月と少し。
回数を求める勉強をやめて、肢別問題をしっかりと暗記するという勉強スタイル。
これも毎日10時間しっかりと勉強しましたが、模試の結果はあまり変わらず。
130点から150点くらいを彷徨っていました。
ただ、模試を受けた実感としてこれ以上点数が伸びる気が全くしませんでした。
とにかくやばい、ラスト3週間
教材の追加
ここにきて教材の追加です。
アガルートです。
超有名講師の豊村先生と思いきや、私が選んだの田島先生
その名も「逐条ローラー」
過去問回しの勉強法をこれだけ頑張ったのに、全く実力がつかない日々。ふざけるなと思っていました。
過去問の解説もわかりづらいし、この解説文はどこから拾ってきたんだよ、書いたやつ!!とか1人で怒っていました。
ある時、怒りモードで解説に向き合った時に、教科書にも書いてない、判例でもなさそう、どこに説明があるんだと探してみたところ、なんと法律の条文をそのまま書き写して、解説らしく言い回しを変えているだけでした。
「えっ、ただの条文問題じゃん」
そう思った時に、今まで選択肢の解説として覚えようと頑張っていたものの多くは法律の条文であることに気が付きました。
そこから勉強の方針を一気に変更しました。
残り3週間。もう模試はない。一度も合格点に達したことがない状態でした。
条文学習で超スパート
アガルートの逐条ローラーを受講しながら、今までやってきたテキストや問題集にも取り掛かりました。
もう丸暗記の学習はやめて、条文から辿って理屈を繋げて、その理屈で問題を「解く」という方法にしました。
今までの学習経験から、どんなに肢問題を暗記しても自分の実力は上がらないと分かりました。
私に丸暗記はむいていない。
そこからというもの、毎日10時間条文の知識を入れて、教科書の内容を条文からたどり、頭の中でその内容をつなぎ合わせて、直後にその知識で過去問を解くという流れで、全ての分野をやり直しました。
正直めちゃくちゃ疲れました。
過去問大量回転なんてどんだけ楽な勉強方法だよって感じるほど頭を使いました。
3週間の間その調子で勉強を続けました。
この3週間で自分が今までしてきた勉強方法の間違いをものすごく反省しました。大学受験を含めて。
何回も回すとか、回答を暗記するとか、そんなことよりも大切なのは理解するということ。
そしてその理解したことを頭の中だけで再現できること。
頭の中で再現できるようになった知識で問題を解くことができること。
この流れが大切
とてつもなく頭がいい人というのは、なんとなくこの流れができてしまっているのだと思います。苦労せず。
でも私は違う。単純記憶は一瞬で頭から消えてなくなってしまう。でも理解したことは思い出せる。
なら、勉強するときはその流れでやるしかないです。
暗記するだけで楽々試験突破とか正直言って羨ましいですが、私には不可能な方法でした。
大学受験時代に受験は要領という本に出会い、丸暗記法に傾倒してしまったのが私の間違いでした。
私は理解しないと覚えられない。でも、理解したことを繋げて思い出す能力はちょっと強い。
試験で求められていること
もちろん、過去問大量回転丸暗記法で長短期合格をしている人も一定数いるので、合う人には会うのでしょう。私には本当に合いませんでした。
Twitterで情報収集していても、合格革命を何十周して3年くらい落ち続けている人もいたので、自分の学習タイプを見極めない解けないのだなとその時に思いました。
行政書士試験は単純暗記だけではそう簡単には突破できない試験だということです。
行政書士は試験内容と実務内容が乖離していることで有名ですが、試験内容から考察するに、法律の条文をしっかりと理解した上で、それを適切に利用することが求められるのだなと思います。
丸暗記するだけの実務家は業界に求められていないということです。
試験ごとにどのような人材に資格をとって欲しいのかが見えてくるのが面白いところです。
税理士試験だけはよく分かりません。条文の点の位置まで丸暗記したとか合格者の方に聞き、国税庁はどんな人間を求めてるんだよと思いました。
試験当日
頭がフル回転してました。
最後の3週間で学習した習慣、つまり記憶の中から知識を繋ぎ合わせて呼び出すということをものすごい勢いで行うことができました。
これは普段からやっていたからできたことです。
大量回転法で学習を続けていたら何年も受験を続けていたかもしれません。
合格後
紆余曲折あり、今は開業という道を選びましたが、今度はまた色々な壁にぶち当たっています。
開業するだけでお金が稼げる楽な資格ではありません。
このサイトでも、開業の現実を書いて行き、開業した駆け出しの行政書士仲間には色々と役に立つ情報を提供できればいいなと思っています。
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